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投資初心者必見!必ず使えるチャートパターン(ダウ理論とは)

テクニカル分析 投資

テクニカル分析の金字塔「ダウ理論」とは

ダウ理論という言葉を初めて聞く方も、NYダウやダウ平均という言葉ならご存知ではないでしょうか。ダウ・ジョーンズとはダウとジョーンズという2人が設立した会社で、最初に経済指数という概念を持ち、1884年に11銘柄で構成される指数を発表しました。これが現在も登録銘柄を変え(30銘柄)、今なおアメリカ経済の状況を示す指標として使用され続けているダウ工業平均株価(NYダウ)です。この指数の生みの親であるダウ・チャールズという人物がテクニカル分析における基本法則を残しており、これを「ダウ理論」と呼びます。

ではなぜこの100年以上も前に1人の男性が唱えた理論が今なお支持され続けているのでしょうか。それは株式市場の根幹を捉えているからだと思います。テクニカル分析を行う、行わないに限らず、株式市場にいる人であればこの根幹となる大原則が間違っていないことを肌で感じることでしょう。要するに市場で生きていく中で「確かにな」と感じる場面が多々あり、チャートがそれを証明し続けているからだと私は思います。サッカーで自分のゴールの方向や足でボールを蹴ることも知らずに試合に出ようとする方はいないでしょう、それと同じくらい前提として知っておくべきことが詰まっていますので是非知っておきましょう。

では早速「ダウ理論」で最も重要と言われている6つの理論について以下にまとめます。

ダウ理論6つの法則

まずはダウ理論が唱えている6つの重要な法則を確認していきましょう。

  • 平均株価は全てを織り込んでいる
  • 市場には3種類のトレンドが存在する
  • メジャートレンドには3つの局面がある
  • 2つの平均市場を確認する
  • 出来高でトレンドを確認する
  • トレンドは明確なシグナルが出るまで効力を持つと仮定する

どうでしょう?なんとなく言いたことはわかるけど‥実際にどう使うのか。と思われた方も多いのではないでしょうか。少し噛み砕いた解説も含めてまとめていきますので、一つ一つみていきましょう。

平均株価は全てを織り込んでいる

市場価格の形成(需要と供給)に影響を与えるあらゆる要因は、平均価格に反映される(織り込まれる)という考え方です。

この理論をもう少し噛み砕くと、単に企業の業績や景気の動向、〇〇指数によってだけで株価がコントロールされているわけではなく、世界のあらゆるニュースや人々の感情までもが平均株価へ影響する。ということです。

市場には3種類のトレンドが存在する

市場には以下の3種類の期間のトレンドが存在しており、このトレンドを捉えながら市場を見ていく(取引)していく必要がある。ということである。

3種類の期間のトレンド

  • 長期:メジャー・トレンド
  • 中期:インターメディエート・トレンド
  • 短期:マイナー・トレンド

チャートには大きく長期、中期、短期の3つのトレンド(波)の長さがあり、長期の波(1年以上続くもの)の期間の中にいくつかの中期の波(3週間〜数ヶ月)があり、さらに中期の波の期間の中に短期の波(3週間未満)があります。この波がどんな傾向(方向)を持っているのか、これがトレンドになります。

メジャートレンドには3つの局面がある

ひとつ前の法則で取り上げた期間のトレンドの中で一番長いトレンドであるメジャートレンドの中には、3つの局面(場面)があるということである。

3つの局面

  • アキュミュレーション局面
  • パティシエーション局面
  • ディストリビューション局面

少し分かりづらいので、暴落相場から上昇回復した市場を仮定し、当てはめて考えていきます。コロナ禍から回復したアメリカ市場(ダウジョーンズ3種の平均指数)を例にしていきます。

  1. 悪材料の影響により株式市場は急落を続けている(今回の例はCovid-19)
  2. 最初のアキュミュレーション局面とは、賢明な投資家が感染状況やワクチンの情報など基づき買い集めをしている局面で、悪材料を全て株式市場が織り込んだと認識位している局面(下落→横ばい→上昇開始)。下図緑矢印
  3. パティシエーション局面では、トレンドフォローを支持するテクニカルアナリストの大半が市場に参加し始める。相場が急上昇を見せ、経済指数なども改善の兆しが見えるようになる(上昇開始→急上昇)。下図オレンジ矢印
  4. ディストリビューション局面では新聞記事やあらゆるメディアが景気回復を取り上げ、社会的に強気ムードになり一般投資家の多くが市場へ参加し始める。過去最高値の更新などが怒ることニュースなど一般に広く経済の回復などが浸透する(急騰のピーク)。この時に既に底で買っている懸命な投資家は誰かが売り始める前に「売り抜け」を始めている。下図赤矢印
  5. その後買われすぎた株式市場は下落する。

こういったシナリオが株式市場の一時的なピークやバブルを形成している。ここから学べることは、コロナ後の復調やビットコインバブルなど広く皆に知れ渡った情報が買いのチャンスとされている時には既にディストリビューション局面にあるということを認識しておいた方が賢明ということでしょう。ピークで買いに入らないように常に冷静にいられることが大事だと思います。

2つの市場平均を確認する

ダウ平均株価は3つの種類が存在する。この3つのうち、ダウは工業と輸送の2つの市場平均両方が上昇/下降のトレンドを示さなければ重要なシグナルにはならず、どちらか片方のトレンドだけでは、現在進行中のトレンドが継続すると考えていた。

  • ダウ工業平均株価(apple/GS/AMEX/コカコーラ/siscoなど輸送、公共以外の大手企業30社平均)
  • ダウ輸送平均株価(アメリカン航空グループ/デルタ航空/ノーフォーク・サザン鉄道/UPSなどの航空、鉄道の大手企業20社から構成)
  • ダウ公共平均株価(アメリカン・エレクトリック・カンパニー/ドミニオンエナジーなどのガス、電気の大手企業15社から構成)

出来高でトレンドを確認する

出来高はメジャートレンドの方向に沿って増加するということである。メジャーな上昇トレンドでは、価格が上昇した時に出来高も上昇し、価格が下落した時に出来高は減少する。ただし、ダウはこの出来高については補完的な指標と考えていた。よって、必ずしもそうではないが、最後に出来高も見て確認しておこうかな。ということでしょう。

トレンドは明確な反転シグナルが出るまでは効力を持つと仮定する

これが今日のトレンドフォロー大原則の1つとなっている。物体に働く慣性の法則のように一度方向が定まったトレンドは明確な反転シグナルがない限りはトレンドを継続するという考えである。

この考え方は個人的にはとても役に立っているものである。実際にメジャートレンドの転換はそう簡単には起こらない。メジャーな下降トレンドにおいて、少しの好材料で価格が上昇したと思ったらすぐにまた下落を始めるということは多々ある。この度に「よし!上昇トレンドがきた!!」といって買いに入ってはすぐに負けてしまう。その時、この考え方を冷静に思い出して、「まだ下落が継続するのかな」と思えることが重要であると私は考えています。

とはいうものの、いつかはトレンドが反転するので、そのタイミングを見極めなければいけないですね。こればっかりはテクニカルというよりは世論見たいなところがあるのかなと思っています。やはり買われすぎ、売られすぎの局面では必ず元に戻す力が働きますし、そのきっかけの材料次第では大きく流れは変わりますので、嗅覚でそろそろかな?と感じながらテクニカル分析で裏付けをして自分の考えをより明確にしていく作業を繰り返していくのが正解ではないでしょうか。

最後に

少し個人的な考えを書きすぎた感はありますが、上記6つの理論を是非参考に、自らのトレンド手法を確立していけるようにしてみてください。これまでの記事にチャート分析における重要チャートとして「反転パターン」や「トレンドフォローパターン」についてまとめたものもありますので、ぜひ参考にしてください!

👉投資初心者必見!必ず使えるチャートパターンシリーズ