「人生設計の地図」ライフプランニングシートの作り方
『ライフプランニングシート』とは?
ズバリ、人生における資金計画を見える化するためのシートです。
- 現在、保有資産はいくらありますか?
- 5年後、10年後の保有資産はいくらありますか?
- 引退するときの保有資産はいくらありますか?
人生のある時点における資金状況を見ることができるので、様々な選択をするときに役に立ちます。車の購入や家の購入、お子様の受験の計画や家族旅行の計画などなど。ご自身が行う選択が今後の資産形成にどのように影響するのかを確認することができるので、今後への漠然とした不安を取り除くことができます。
例えば家の購入を考える際に、『借り入れ総額』をどのように確認しますか?インターネットで検索すると年収の5倍や月の手取りの20%であれば問題ないとされていますが、30年後返済が完了したときにご自身の資産はどうなっていますか?各家庭によって支出はバラバラなはずです、一概に年収の…手取りの…などと決められるでしょうか。ライフプランニングシートを作成することで、今支払える額ではなく、人生において支払える額を見ることができます。もちろん、人生は思うように進まないことが多々あり、ライフプランニング通りに進まないこともありますが、一度現在の状況が継続したときにどうなるかを見ておくことは重要ではないでしょうか?
サンプルを見てみましょう
私が初めてライフプランニングをした時のものを再現しました(10年分切り取り)
- 3人家族(1年後第二子誕生予定)
- 世帯年収は手取りで500万円
- 貯蓄額は500万円

このようにして毎年の収入と支出を仮定し、年間収支を算出します。現在の資産に毎年の収支(赤色)を加えて資産の増減(緑色)を見る仕組みとなっています。
先ほどのサンプル作成時のポイントは以下の通りです
- 家族の年齢から訪れるイベントを書き出す
- 収入は現在の状況が継続すると仮定して手取りで算出
- 支出はカテゴリー分けをして算出(年齢とともに増加するものに注意)
- 世帯の収入から想定される各年の支出を差し引き年間の収支を算出
- 残りの金額の何%を貯蓄とするかを決め預金残高に追加
ここでは触れていませんが、余剰資金を投資に回す計画をしている方は、想定利回りを加味して資産を計算していきましょう。
シートを作成してみましょう
ある程度エクセルを使える方は自分で作ることをオススメしますが、まずはサクッと試してみたい!という方や、自分でエクセルの式を組むのは苦手…という方は以下のリンクより日本FP協会が提供しているキャッシュフロー表をダウンロードして作成してみてください。
日本FP協会 キャッシュフロー表:https://www.jafp.or.jp/know/fp/sheet/
上記サンプルを作成した際は、各年においてイベントの合計となる式を組んでおき、前提を変更するだけで表に反映されるようにしました。このようにすることでイベントの前提を変えた時、資産形成にどう影響するのかを簡単に確認することができます。
例えば、車の買い替えを5年に一度から、7年に一度に変更したら○年後の資産状況がどうなっているか?や、家賃やローン返済の額を変更するとどうなるか?などさまざな状況をシミュレーションできるように作成しました。イベントの前提をサンプルとして残しておきますので、是非参考にしてみてください。
サンプルのイベント前提条件

老後まで作成してみましょう
私は100歳まで作りましたが、年金をもらうまでくらいが重要かと思いますので、80歳まであれば十分かと思います。ずーっと右に続きます!笑

グラフにして確認してみましょう
※貯蓄(グレー折線)のみ第二軸(右)となります)

こうすると、資産状況が一目で見えるので是非作成してみてください。老後2000万円問題もしっかりと受け止めることができます。笑
これが今の前提を続けたときのリアルな老後です。これを是とするか非とするかはご自身の考え方次第ですが、まずはどうなるのかを知ることができたことが1番の前進です。まずは知ること、知らなければ今後の計画も現状への対策もありませんよね。
このように、あるポイント(今回は60歳時点)でどのような資産状況となっているのかを見ることで様々な決定がしやすくなりますし、漠然とした不安は無くなります。
※大小問わずリアルな不安に変わります…汗
※やらなきゃいけないことや、諦めなければならないこともわかります…涙
住宅の購入金額の見直し、お子さんの受験や習い事、夫婦のお小遣いの額、はたまた転職活動や投資を始めるきっかけなど様々です。収入を増やすのか、支出を減らすのか。何を選択し何を捨てるか。選択肢は山ほどありますが、ライフプランニングシートがあることで基準が見えますので、具体的な決定へ向けて話が進められるのはメリットになるはずです。
ぜひ、現状を知るところから初めてみてください。